1月12日(火) | JRホテルクレメント宇和島

2021年1月12日第18回(通算第2622回)例会

ゲスト卓話:愛媛第Ⅱ分区ガバナー補佐 日田良介 氏 テーマ:「私たちはなぜロータリーに居るのか」
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2021年1月12日第18回(通算第2622回)例会

日時・場所

1月12日 12:30
JRホテルクレメント宇和島, 日本、〒798-0034 愛媛県宇和島市錦町10−1

行事詳細

我々はなぜ Rotary にいるのか

日田良介(八幡浜RC)

私は1992年(H4年)に Rotary に入会しました。現在28年目、入会以来ずっと1 00%連続出席を続けております。Maycap の有効期限は前後2週間ですが、内規を変更 して、ガバナー主催の地区大会とか地区協議会に出席した場合は向こう 1 年間有効とした のが幸いしております。

私は24年間も学習塾を経営しておりましたので、子供たちの扱いに慣れているという ことで特に⻘少年奉仕と社会奉仕の役が多く、地区においても⻘少年インターアクト委員 会に⻑く籍を置き、委員⻑も2度務めました。2004年(H16年)最初の委員⻑のと き、全高校生を 1 つにまとめるために「アフリカザンビアの子供たちへ運動靴を送る」と いうプロジェクトを立ち上げ、1 度使用したけど新品同様の運動靴を集め、きれいに洗っ てサイズ別に分類し、6000足余りを送り随分感謝されました。

在籍28年の間に色々な場面で「Rotary とは何ぞや」という話し合いがなされました。 「個人として職業を通して社会に貢献する」ということですが、では具体的に何をどうす ればよいのか、私には今1つよく分かりません。それならばなにも Rotary にいなくてもで きることではないかと私は思います。

私は Rotary の目的は「奉仕活動」だと思います。それが地域社会に向けられたものが社 会奉仕、国境を越えて行われるのが国際奉仕、世代を超えて行われるのが⻘少年奉仕。

高校の倫理社会で習ったマズローの欲求5段階説、人間が行動を起こす理由動機は 2 つ の段階がある。1 つは「欠乏動機」、何かが足りないという欠乏状況を充足させることで 次の 4 つの欲求から構成される。

1空腹・睡眠など生命を維持したいという「生理的欲求」 2生命に関するものを安定的に維持したいという「安全欲求」 3他者と交わりたい、集団に帰属したいという「親和欲求」 4他者から価値ある存在と認められたいという「承認欲求」

もう1つは「成⻑動機」これら4つの欲求が満たされると次はさらに高次の欲求が高まる 5自分の能力を発揮して創造的活動をしたいという「自己実現欲求」

というものです。私は我々がRotary にいる動機はこの345ではないかと思います。

次に「国際奉仕」について「なぜ他国を支援するのか」ということです。他国を支援す るという歴史はそんなに古いものではありません。政府開発援助(ODA)、当初は戦後賠 償の一環(準賠償)としてアジア諸国に対し無償資金援助を行うというものでした。

日本は戦後世界銀行の支援を受けて東海道新幹線や黑部ダムを整備するなど国際社会の 支援を受けて復興を果たしました。今度は被援助国から援助国へ転換することでアジア諸 国ひいては国際社会における信頼を回復しようとした訳です。加えてこの準賠償は必ず日 本企業が受注するというタイド性を帯びていて援助を通じて輸出を振興するという思惑も ありました。このように当初の日本の援助は敗戦から立ち直るために非常に大きな役割を 果たし、経済復興・先進国への復帰へと繋がっていきました。

日本が高度経済成⻑を果たし世界第 2 位の経済大国になると、今度は貿易摩擦が生じ 先進各国より他国企業の事業機会を奪うタイド性を帯びた援助も批判の対象となりまし た。そこで国際的批判を緩和するために 1972 年以降政府は日本企業が受注する形にこだ わらない援助を拡充し世界へ貢献する姿勢をアピールしました。またこの頃、冷戦体制が 確立する中で日本を含めた資本主義国は途上国の共産化を防ぐためにODAを積極的に拡 充しました。

1989 年冷戦が終結し日本経済も停滞してくると改めて「なぜ他国を支援するのか」が 問われる時代となります。その頃世界はグローバル化が進み、環境問題・男女格差・感染 症といった新たな地球規模の課題や貧富の格差などが世界的な課題として上がってきまし た。このような状況に直面して日本政府は 1992 年ODA大綱を策定し 1人道的考慮、2相互依存関係の認識、3環境の保全、4開発途上国の自助努力の支援 を柱とし、ODAを世界規模の課題解決に貢献するものと位置づけました。これは日本と 途上国の関係が、一方的な援助非援助の関係ではなく、相互依存的関係に変容したことが 背景にあります。我々が安定して現在の社会を維持するためには取引国との良好な関係を 維持するとともに途上国の安定を確保することが必要です。このように我々も世界という 共同体の恩恵を受けて生活をしている以上、税金として所得の一部を市・県・国といった 公共の利益に還元すると同様、世界市⺠の一員として協力することで世界秩序の安定や 日本単独では解決できない課題の解決に貢献するという方針が確認されました。

この考えは現在にも繋がっています。現在国際協力の世界的指針となっているのは 2015 年の国連サミット、193 か国の合意のもと採択された「持続可能な開発目標」(SDGs) です。2030 年を期限とする 17 の目標を定め、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指 し、経済・社会・環境の課題に統合的に取り組むことを定めたものです。このSDGsの 特徴はこれまでと違い課題解決の担い手として政府だけではなく⺠間企業・NGO・有識 者等の役割を重視していることです。かつては途上国に流入する資金はODAが中心でし たが現在では⺠間資金の流入が大きく上回っております

こうした歴史と背景を知った上で、Rotary の国際奉仕はどうあるべきか、1 つ言えるこ とは、「1 人ではできない、必ず協力者が必要」ということです。

先の運動靴のことにしても、ザンビアで医療活動をされている徳島の医師吉田先生と出会 ったことで先生の医療活動を支援するという形で実現致しました。要は「縁」と「相棒」 です。 現実問題として、自らが今の生活全てを犠牲にして、ネパールの岩村博士、アフ ガニスタンの中村医師と同じようなことをすることはできません。出来ることはその尊い 理想に共感して自分として出来る限りの支援をすることです。

最後に社会奉仕・国際奉仕といっても一体何をすればいいのか、アイデアとか発想はど こから湧いてくるのか、何もない白紙の状態でフッと思い浮かぶ訳ではありません。運動 靴の場合はバングラデッシュかどこかでゴミの山の中からまだ売れそうなものを探してい る裸足の子供たちの映像を見て発想しました。今八幡浜 RC でやっている RotaryFarm も 市役所の前に植えてある蜜柑を市⻑が幼稚園児保育園児を招待して収穫しているのを見て 思いついたものです。「模倣は恥だが役に立つ」、そうゆう目で見ていれば新聞・雑誌・テ レビ・「Rotary の友」色々な媒体の中にヒントはいくらでもあります。要は一歩踏み出し つかみ取る勇気があるかないか、これに尽きると思います。

ご清聴ありがとうございました。

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